「スティング」 1973年 アメリカ

監督;ジョージ・ロイヒル
出演;ポール・ニューマン,ロバート・レッドフォード
2005年9月10日 シネマクラブ第37回上映会 

時代は世界大恐慌。詐欺師フッカー(レッドフォード)が騙し取った大金は、大物賭博経営者のロネガンのものだった。追われる身となったフッカーは、賭博師ゴンドルフ(ニューマン)に救いを求める。ロネガン相手に仕掛ける華麗な大博打。
これぞ映画!!。脚本が良くできていて、とても面白い。監督のセンスが良い。渋いポールニューマンとちょっと危なっかしい若者レッドフォード、俳優とキャラクターの組合わせも最高。衣装はお洒落。音楽は軽快で耳に残る。映画の魅力を余すところなく、見せてくれる。
騙し騙され、最後にあっと言わせる詐欺師映画は例えば『マーヴェリック』とかいくつかあるけど、観客まで騙しちゃう映画はこれだけかもしれない。観客はゴンドルフたちの"タネ"を一部始終見ていて、一緒にロネガンや刑事を騙しているつもりになり、フッカーの軽々しさにハラハラする。しかし、本当に騙されているのは観客。そのことに最後まで気付かせないところがスゴイ。最後は、監督の見事な騙しの手口に思わず拍手を送ってしまう。
この作品と似た騙しのテクニックを使った映画として『シックス・センス』などがあると思う。それは本来、物語を構成する上で重要になるはずエピソードを観客には意図的に隠してしまう、見せないという手法。映画だけで可能な騙しのテクニック。これをやられると、ちとズルイぞ!思ったりするのだが、この作品の場合は、騙されることがとても気持ちが良い。

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