「007/カジノ・ロワイヤル」  2006年  イギリス,チェコ,ドイツ,アメリカ

監督;マーティン・キャンベル
出演;ダニエル・グレイグ,エヴァ・グリーン,ジュディー・デンチ
2007年8月11日  第60回シネマクラブ上映会

テロリストの資金源となっているル・シッフルは、ポーカーで巨額の資金を稼ごうとしていた。ボンドの"00(ダブルオー)"としての最初の任務は、ポーカーでル・シッフルに勝ち、資金を絶つこと。財務省の監視役として、美しい女性ヴェスパーが、国家予算の掛金1500万ドルを持って現れた。
ボンドカー、ボンドガール、国際的な組織とか一応「お約束」は受け継いでいるけれど、荒唐無稽さ、人間離れしたヒーロー像は消え、渋いスパイアクションものになった。冒頭のアクションシーンからビックリ。ご都合主義的な秘密兵器もなければ、CGもなし。人間の身体能力を究極まで使ったアクション。この最初の10分だけで、今までの007とは違うぞ!という作り手の意気込みが伝わってくるよう。前半はスピーディで、キレのあるアクション。そして、後半は、ポーカーの緊張感ある心理的駆け引きでの勝負、裏切りに裏切りの悲しい恋愛でストーリーを盛り上げる。良くできた娯楽作品だと思う。
6代目となるダニエル・グレイグも、ショーン・コネリー、ロジャー・ムーア、ピアーズ・ブロスナンなどのような甘い顔立ち、紳士的イメージはあまりない。タフで、野性味があるけど、タキシードもビシッと決まる落ち着きがある。こういう雰囲気や面影は、一緒に鑑賞したシネマクラブメンバーも言っていたが、スティーブ・マクィーンと重なる。体も、今までのボンド以上に逞しい。ボンドガールは脱がないのに、ボンド自身は脱ぐわ、脱ぐわ。美しく締まった肉体を惜しげもなく見せてくれた。任務も、女もいっぱいいっぱい。青くさいぞ!ボンド。と思ったが、そこがまた魅力的だった。これから、このダニエル=ボンドがどんな風に成長していくのか、ちょっと楽しみでもある。
最後の最後に「The name is Bond. James Bond.」→暗転と同時にボンドのテーマ、チャラッチャラッ。この流れはカッコイイ。もう仕事やめちゃおっかな〜なんて言っていた青くさいボンドが、非情なスパイになった瞬間を目撃した感じがして。
どうでもいいが、私のケータイメール着信音は、ずっと前からジェームス・ボンドのテーマ。秘密指令を受け取るような緊張感が味わえるから(^^ゞ。言うまでもなく、1967年の「カジノ・ロワイヤル」はパロディで、本作とは別物。

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