「世界最速のインディアン」  2005年  ニュージーランド=アメリカ

監督;ロジャー・ドナルドソン
出演;アンソニー・ホプキンス,クリストファー・ロウフォード 他
2008年2月?日  第66回シネマクラブ上映会

dvd ニュージーランドの小さな町。バート・マンロー63才、年金暮らし、心臓の持病持ち。しかし、彼には長年の夢があった。それはアメリカユタ州ボンヌヴィル塩平原で行われる最速バイクレースに挑戦すること。愛車の 1920年型インディアン・スカウトとユタ州へと旅立つ。上質なハートウォーミング映画。実話を元に映画化された。
夢を追いかけるのに年齢は関係ないぜっ!。分かっちゃいるんですがね…。好きな事でも、年齢とともに情熱の衰えをひしひしと実感している私は、全人生をバイクに懸けるバートには素直に感動した。
でも、そんなオヤジの熱血青春ドラマ以上に、この映画が素敵だなと思うのは、バートの愛される人柄、人々の触れあいが、とても暖かく描かれていることだ。バートのように何かに情熱的に打ち込む人は、人生経験が豊かで、魅力的なんだね。車庫みたいなボロ家で独り暮らしだけれど、隣の子どもは彼の昔話を聞きに寄ってくるし、心配してくれる女友だちもいる。自分が出来ること、出来ないことをよく知っていて、誰かを手助けし、出来ないことは素直に助けを借りる。バートの目指す道は険しいけれど、彼は、そうやって経験を生かして、人と自然に良い関係を作ることで乗りこえていく。特に、同じバイク最速記録という目的を持った人たちとの友情にはジーンときてしまった。マシンがおんぼろだって、年齢が親子以上に違ったって、"バイク"というただそれだけの共通項が、その壁を簡単に乗りこえさせ、友情の輪が広がる。こういう関係って、大人になるとなかなか築けないから、良いなぁと思う。私も愛車(自転車だけど)に乗って出掛ければ知らない人に声をかけられ、シャイな私でも話が弾むことがあるから、あの雰囲気は少しだけ分かるな。
アンソニー・ホプキンスと言ったら、アレですよ、アレ>レクター博士(『羊たちの沈黙』)。世界一恐い犯罪者というイメージを180度転換し、少年の瞳を持ったじぃさんを余裕で好演。気のせいか、アンソニー・ホプキンス自身も楽しんでるように見えた。

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