「パリは燃えているか?」  1966年  フランス=アメリカ

監督;ルネ・クレマン
出演;ジャン=ポール・ベルモンド,アラン・ドロン,ゲルト・フレーベ,オーソン・ウェルズ,ミッシェル・ピコリ,ジェン=ピエール・カッセル,ジャン=ルイ・トランティニャン,イヴ・モンタン,アンソニー・パーキンス,ほか有名俳優たくさん
2009年12月?日  NHKBS録画  自宅ごろ寝シアター

dvd ドイツ占領下のパリ。ヒットラーは連合軍の侵攻を阻止するためにパリ焦土計画を立てていた。焦土計画と並行してパリ解放までの過程を、細かい大戦エピソードを盛り込みながら、ドキュメンタリータッチで描いていく。
細かいエピソードを一つ一つ積み重ねていく。そのため冗長でまとまりがない。映画の出来としては微妙。しかし、もともと撮ることに意義がある記念碑のような映画なので、これで良いんだと思う。歴史的有名人物から名も無きレジスタンスたちに至るまで、ひとりひとりの活躍を丁寧に描き、いかにしてパリ解放が達成されたか、ということを知らしめるための作品なのだから。監督も当時フランスを代表する監督であったルネ・クレマン、出演者はフランス、ハリウッドのオールスターキャストという豪華さである。パリ解放という歴史的事件と一緒にできないのは百も承知で言うが、日本の『忠臣蔵』みたいなもん?…ヾ(--;。
最もかっこよかったのは、ナチのコルティッツ将軍。連合軍侵攻の直前、ヒットラーからパリ焦土化の命令が下るが、彼は従わずに降伏した。レジスタンスたちの連携も見事だが、美しいパリを救ったのは最終的には彼の判断だから。ラストシーン。無人となったコルティッツ将軍の部屋の受話器から「パリは燃えているか?」というヒットラーのキレた声が響き、一転して軽快なワルツが流れるパリの街のロングショットへ。ワルツの旋律とともに、戦争からの解放感、美しい街が残ったことの素晴らしさ、余韻があとを引く名シーンである。音楽はモーリス・ジャール。
映画とは関係ないどうでもいいことなんだけど、加古隆作曲「パリは燃えているか」。NHK「映像の世紀」のテーマ曲と言った方が分かりやすいかもしれない。この曲タイトルがなぜ「パリは燃えているか」なのか、以前から気になっている…。

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